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外国人採用に必要な費用と注意点|経営者が知るべき実務知識

外国人採用を進める企業にとって、費用や手数料の把握は大きな課題です。相場や内訳が分からないまま契約すると、思わぬ出費に悩まされる可能性があります。

本記事では、以下の目次に沿って、人材紹介を利用した採用の流れから費用の仕組み、関連コストや削減の工夫までを徹底的に整理しました。経営者が安心して採用判断できるよう、実務に役立つ知識を分かりやすく解説していきます。この情報が、日本で外国人労働者を受け入れる企業の皆様にとって良い指針となれば幸いです。

外国人採用における人材紹介の基本

採用候補者を虫眼鏡で拡大している場面

外国人材の採用では、人材紹介会社を利用するケースが一般的です。求職者探しから面接、在留資格確認まで幅広く支援してくれるため、採用担当者の負担を大きく減らせます。

ただし、外国人雇用には日本人採用とは異なる特徴があり、特有の注意点を理解しておく必要があります。ここでは紹介会社の役割や利用メリット、外国人採用における特徴の概要を整理します。

参考:厚生労働省 外国人雇用対策

人材紹介会社の役割

人材紹介会社は、企業の採用ニーズや求人要件に合う候補者を探し、企業との橋渡しを行う専門機関です。書類選考や面接調整、条件交渉の代行に加え、外国人採用ではビザや在留資格の確認も担います。たとえば「特定技能」や「技術・人文知識・国際業務」など、在留資格ごとに適切な雇用ルートを案内してくれるのです。

特にベトナムやフィリピンといった海外の国からの採用経験が豊富な会社は、現地の事情にも精通しています。採用リスクを減らし、効率的に人材を確保するために欠かせない存在といえるでしょう。

参考:出入国在留管理庁 在留資格から探す

紹介を利用する企業側のメリット

紹介サービスを使うことで、企業は効率的に優秀な外国人材と出会えます。採用にかかる時間と労力を削減し、求人広告に比べ短期間で採用でき、候補者本人のスキルや経歴が事前に確認されているため、ミスマッチのリスクも軽減されます。企業が希望する専門性を有する人材を見つけやすいのが理由です。

さらに、ビザ手続きや生活面のサポートを行う紹介会社も多く、採用後の定着につながりやすい点も強みです。初めて外国人採用を行う企業にとって大きな安心材料となります。

外国人採用の特徴と注意点

外国人採用では、文化・言語の違いに加え、法的な在留資格の確認が不可欠です。たとえば資格外活動許可が必要な場合や、契約更新時に在留資格変更が伴うケースもあります。

また、採用後には住居確保や生活支援が求められることも多く、企業の対応範囲は広がります。外国の文化を持つ人材との共生は、組織の活性化にもつながる可能性があります。こうした特徴を理解し、制度や支援体制を事前に整えることが、長期的な雇用成功のカギとなるでしょう。

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外国人材 総合的対応

外国人紹介費用と手数料の仕組み

外国人採用に必要な費用や注意点をテーマに、スーツ姿のビジネスパーソンが費用計算している場面

外国人材を採用する際には、人材紹介会社へ支払う手数料が大きなコスト要因となります。仕組みを理解せず契約してしまうと、予想外の金額に戸惑うこともあるでしょう。手数料の計算方法、費用が発生するタイミング、金額相場と変動要因を知っておくことで、採用コストを適正に見極められます。

ここでは代表的な仕組みを整理し、注意すべきポイントを紹介します。

紹介手数料の計算方法

一般的な紹介手数料の料金は「採用者の想定年収」に一定の割合を掛けて算出されます。たとえば採用者の月々の給与が30万円で、賞与を含めた年収が450万円、手数料率が30%であれば135万円が発生します。

契約形態には「完全成功報酬型」と「着手金+成功報酬型」があり、前者は採用決定時のみ費用が発生し、後者は候補者紹介時点で一部費用を支払う仕組みです。どちらを選ぶかで負担の大きさは変わります。この内容についてはしっかりと説明を受けましょう。

費用発生のタイミング

費用の発生時期は紹介会社ごとに異なりますが、最も多いのは「入社日」を基準とする方式です。一方で、内定決定時やビザ取得完了時点で請求が行われるケースも存在します。

たとえば、入社まで数ヶ月かかり、その期間が3ヶ月以上になる職種では、支払いタイミングによってキャッシュフローに影響が出る可能性があります。契約前に「いつ費用が発生するのか」を確認し、資金計画に反映させることが重要です。

金額相場と変動要因

紹介手数料の相場は年収の20〜35%程度が目安ですが、職種や求めるスキルによって幅があります。ITエンジニアや通訳など専門性の高い分野は率が高く、製造業や介護分野は比較的低めに設定される傾向です。

また、複数名採用や長期契約では割引が適用される場合もあります。相場だけでなく、どの要素が金額を左右するのかを把握することで、無理のない採用計画を立てられるでしょう。

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外国人採用でかかるその他の費用

オフィスの机でドル紙幣を手渡す人の手元。パソコンやグラフの書類が並ぶ中で費用の支払いを表す場面

人材紹介手数料とは別に、外国人採用には複数のコストが発生します。代表的なのは在留資格・ビザ関連費用、住居や生活支援に関わる費用、そして契約後に発生する追加コストです。

これらを見落とすと、採用後に思わぬ負担が生じることがあります。事前に必要な費用を整理し、どこまでを企業が負担するかを明確に決めることが、スムーズな受け入れにつながります。

在留資格・ビザ関連の費用

外国人を採用するには、必ず在留資格やビザの取得・更新が必要です。行政書士等の専門家に依頼する場合、申請代行費用として約5万〜15万円程度が相場です。この中には申請書類の作成も含まれます。

実際の申請費はケースにより変動するため、事前に見積もりを取ることが重要です。更新や在留資格の変更が必要になれば、その都度同等の費用が発生します。さらに、渡航費や書類準備費用も加算されることがあります。

住居・生活サポート費用

採用後、外国人材が安心して生活できるようにするため、住居や生活支援のコストも考慮が必要です。特に国内に在住していない人材の場合、初期の生活基盤支援は特に重要です。

たとえば、家電付きの社宅提供、保証人代行、生活オリエンテーションなどが挙げられます。日本語研修を実施する企業も多く、短期的には負担増となるものの、結果的に離職率低下につながります。長期雇用を目指すなら、生活基盤支援を積極的に取り入れる価値があります。

契約後に発生する追加コスト

採用契約を結んだ後も、追加費用が発生するケースは少なくありません。代表的なのは、在留資格更新にかかる費用や、家族帯同に伴う生活サポート費用です。また、現場によっては通訳者の派遣や研修費用を企業が負担することもあります。

専門職では資格取得や講習費が必要になる場合もあります。こうした追加コストを事前に想定し、予算計画に組み込むことで安定した採用が実現します。

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外国人採用 費用

費用を抑えるための工夫と比較のポイント

タブレット画面に描かれた図。緑色の矢印で品質・スピード・効率が上昇し、赤い矢印でコストが低下することを示している

外国人採用は費用が高額になりがちですが、工夫次第で負担を軽減することが可能です。複数の紹介会社を比較して条件を精査する、助成金や補助金を活用するなどが代表的な方法です。

また、契約時に発生条件や返金規定を明確にすることで、不要な追加費用を避けられます。ここでは、手数料削減の工夫や比較基準、よくある失敗事例とその回避策について解説します。

手数料を抑えるための工夫

紹介手数料を抑えるには、契約内容の工夫が効果的です。たとえば「完全成功報酬型」を選べば、採用が成立しない限り費用は発生しません。自治体や国の助成金制度を利用すれば、初期費用の一部を補填できるケースもあります。複数名をまとめて採用する際に手数料率の割引を交渉できる会社もあるため、契約前に確認しておくと安心です。

関連情報はウェブサイトで確認できるほか、2025年の制度改正や助成制度の最新動向をチェックし、専門のセミナーなどで知識を得ておくことも役立ちます。

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特定技能 補助金

人材紹介会社を選ぶ際の比較基準

紹介会社を比較する際には、単純に手数料の安さだけで判断するのは危険です。候補者の質、ビザ申請や生活支援の有無、業界トップクラスの早期退職時の返金制度など、総合的なサポート体制を評価し、自社にとって最適なパートナーを見つけることが重要です

たとえば費用が多少高くても、実績豊富な会社なら結果的に採用リスクを減らし、長期的なコスト削減につながります。複数社の見積もりを一覧にして並べて検討するのがおすすめです。

よくある失敗事例と回避策

外国人採用で多い失敗には、費用の安さだけで紹介会社を選び、結果的に早期離職が相次ぐケースがあります。とある製造業の株式会社もそうした事例の一つです。契約条件を確認せずに進めたことで、後から追加費用が発生するという不測の事態も見受けられます。

このような失敗を避けるには、契約前に費用の内訳や返金規定、再紹介制度の有無をしっかり確認することが重要です。信頼できる紹介会社を選ぶことが、費用対効果を最大化する最良の方法といえます。

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人材紹介 外国人

人材紹介以外の外国人採用方法

スーツ姿の面接官が応募者から履歴書を受け取っている様子。採用面接の場面を示すイメージ

外国人材を採用する手段は紹介会社だけではありません。直接募集、技能実習制度、特定技能の活用など複数の選択肢があります。方法によって費用や手続きの負担が大きく変わるため、自社の状況に合った採用ルートを選ぶことが重要です。

ここでは代表的な3つの方法を取り上げ、それぞれのメリット・デメリットを整理し、比較の参考にしていただきます。

直接採用のメリット・デメリット

直接採用は、自社で求人広告や求人サイトを利用して候補者を募集する方法です。紹介手数料が不要なためコストを抑えられる点は大きな魅力です。しかし、面接調整やビザ確認、生活サポートまで自社で対応する必要があり、担当者の負担は増します。

採用ノウハウや社内体制が整っていない場合には、手続きが複雑になり失敗リスクも高まります。十分な準備が前提となる方法です。

技能実習制度との違い

技能実習制度は、人材確保を目的とするのではなく、開発途上国への技能移転を目的としています。そのため「安価に人材を確保できる」と誤解して利用すると、早期離職や定着難につながるリスクがあります。受け入れには監理団体を通した手続きが必要で、企業の管理責任も重くなります。

技能実習には1号、2号、3号といった区分があり、それぞれ滞在できる期間や活動内容が異なります。人材紹介サービスと比較するとコストは抑えられますが、制度の趣旨を理解したうえで利用する必要があります。

参考:公益財団法人 国際人材協力機構 外国人技能実習制度とは

特定技能を活用するケース

特定技能は、2019年4月に導入された在留資格制度で、16の特定産業分野の深刻な人手不足に対応するための制度です。1号特定技能では最長5年の就労が可能で、2号特定技能では在留期間の制限がありません。

受け入れ企業は、国から認定された登録支援機関に支援業務を委託することができます。特に介護・製造業・外食分野などでの利用が進んでいます。ただし、技能試験や日本語能力試験の合格が条件になる分野が多く、試験免除となる例外もあり、候補者数が限定される場合があります。

参考:公益財団法人 国際人材協力機構 在留資格「特定技能」とは

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外国人材 採用

まとめ|外国人採用費用を理解し賢く活用する

電卓の上に“COST”の文字と複数のアイコンが表示され、採用にかかる費用や要素をイメージ化した図

外国人採用には、人材紹介手数料だけでなく、ビザ申請や生活支援、追加的なコストまで幅広い費用が発生します。重要なのは、これらを事前に整理し、信頼できる紹介会社や制度を選んで計画的に進めることです。

安さだけで判断せず、サポート体制や返金規定を含めて比較検討することで、安心して採用を進められます。多くの人が活躍できる環境を整えるため、費用を単なる支出と捉えるのではなく、将来の人材確保への投資と考える視点が求められるでしょう。

外国人材の雇用で何かお困りのことがありましたら、ぜひお気軽に「人材カフェ」の無料相談をご利用ください。企業様向けに様々な職種の外国人労働者をご紹介しています。詳細な資料のダウンロードも可能です。