外国人就労者に日本語を教えるにあたって、褒め方は非常に重要です。
異国で働きながら言語を学ぶのには大きな不安がつきものであり、自然に学習への意欲が下がってしまう場合があります。
しかし“結果”にこだわらず”過程”を褒めてあげることでモチベーションが高まり、日本語学習に対する意欲が高まります。
そこで今回は、外国人就労者が意欲的に日本語を勉強したくなる、褒め方の5つのポイントをご紹介します。
褒めるという行為にはコストも時間もかからないので、安心して日本語学習に取り組めるよう、積極的に褒めてあげましょう。
外国人に向けた褒め方のポイント
外国人を褒める場合には、言葉の違いや文化の違いなどから注意が必要です。
ポイントとしては、まずは相手の文化や価値観に配慮し、適切な言葉遣いを心がけること。
また、具体的な行動や言動に着目し、わかりやすい表現を使って、明るくポジティブな言葉で褒めることが大切です。
例えば、ただ「日本語が上手になったね」と言われるよりも、
「最近の日報はとても分かりやすいね。上手に日本語を使えるようになってきたね」と具体的な点を挙げた方が、どういう部分を褒められたのか理解しやすくなります。
日本語習得スピードを高める5つ褒め方
日本語の上達をうながす5つの「いい褒め方」をご紹介します。
①すぐ褒める
行動に対するフィードバックは、行動の直後に行うのがより効果的だと言われています。
すぐに褒めることができるように、指導者は常に気にかけてあげましょう。
- 日本語での質問にスムーズに答えた
- 日本人従業員と円滑にコミュニケーションを取った
- 仕事で優秀な結果を出した
このように良い行動を取ったときには、なるべく早いタイミングで褒め言葉をかけてください。
すぐに褒めることで、自分の成長を実感できます。
②その人自身を褒める
特定の行為だけでなくその人自身を褒めることも重要です。
例えば「あなたの勉強熱心な姿勢が周りのやる気にも繋がっているよ!」など、日本語スキルではなく本人を褒めることで、さらに積極的に勉強に励むことができるようになります。
③具体的な行動を褒める
「発音がとても良くなっているね」「挨拶がとても丁寧だね!」というように、具体的な行動や能力を褒めることも重要です。
指導者が気にかけてくれていることが伝わって、モチベーションアップに繋がります。
④やり方を褒める
外国人就労者が日本語を学習する上で、正しい表現や言い回しを覚えることは重要です。
しかし毎日努力しているにも関わらず、何度も言い間違えてしまったりなかなか覚えられなかったりして自信を失くすタイミングがあるかもしれませんよね。
「メモを取るのはいい心掛けだね」
「書き取りは大変だけど毎日がんばってるね」
など勉強をがんばる姿勢を見守っていることを伝え、勉強方法を具体的に褒めてみましょう。
スキルアップという“結果”に限らず、学習姿勢などの”過程”も一緒に褒めるのがコツです。
⑤失敗したときも褒める
外国人就労者は、コミュニケーションや業務においてミスをしてしまうことが多々あります。
当然、態度が悪かったり話を聞かなかったりして起こるミスなら指摘するべきです。
しかしそれが日本語スキルによって発生したミスなら、多少目をつぶってあげるのも優しさ。
失敗を恐れていると、言葉を発することができなくなってしまうため、多少のミスであればチャレンジそのものを褒めてあげてください。
失敗を恐れずどんどんコミュニケーションを取っていくことで、日本語習得のスピードも加速します。
過程を大切にすれば結果が出る
紹介した5つのポイントはすべて「結果」ではなく行動の「過程」を褒めるものです。
これらのポイントを意識して褒めることで、外国人就労者のモチベーションアップやコミュニケーション改善に繋がり、職場全体の雰囲気も良くなります。
それによって自然と学習への意欲が高まって、日本語習得スピードが上がっていくはずです。
5つのポイントを意識して、ぜひ積極的に褒めてあげてくださいね。