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人材定着プログラム5日目
【企業理念ビデオレターを作ろう!】
①(企業理念がない場合、新たに設定する)
②企業理念が生まれた背景から
シナリオを作る
③ビデオレターを撮影する
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企業理念がなかったり、あっても十分に社内に浸透していなかったりすると、会社が目指すべきゴールが不明瞭になります。
何かトラブルが起きてつまずいてしまったときに、どうしたらいいか分からなくなってしまうのです。
もし貴社が企業理念を設定していない場合は、ぜひ設定してください。
実はこんなデータがあります。
・企業理念がある会社の
平均経常利益・・・4,900万円
・企業理念がない会社の
平均経常利益・・・2,900万円
なんと、企業理念があるかないかで平均経常利益が2,000万円も違うのです。
このデータからもお分かりになるように、会社としての方向性を決めておくことは非常に重要です。
今すでに企業理念がある場合も、紙に書いて貼り出したり、全員で唱和したりして社員全員が同じ方向を向いて進めるよう工夫してみてください。
でもこのとき、単なる形式だけで終わってしまうと従業員側は押し付けられたように感じてしまいます。
大切なのは従業員を「その他大勢」ではなく「主人公」にしてあげることです。
1つの大きな物語である会社の「主人公」になることで、日々の何気ない仕事も、まるで特別な使命であるかのように感じられます。
しかしながら企業理念には難しい言い回しも多く入社したばかりの頃は覚えるのも大変ですよね。
外国人社員の場合は理念や目標を十分理解できないまま仕事をしている人も多いです。
そこでおすすめの方法が、企業理念についてビデオレターを作成することです。
小難しい文章で伝えようとするよりも、話し言葉や映像の方が頭に入ってきやすいためです。
ビデオレターの中では、
- 何のためにこの仕事をやっているのか
- どんな経緯で会社が創られたのか
- どこを目指して進んでいけばいいのか
などを語ります。
このとき、代表者自らが心を込めて魅力的なストーリーを語るのがおすすめです。
社員に共感や信頼が生まれ、「ここで頑張りたい!」という思いを持ってもらえます。
以下に例を掲載しますので、参考にしていただければ幸いです。
企業理念ビデオレターのシナリオ例
(トマト農家さんの例です)
私はほんの9年前までは、毎日満員電車に揺られて自宅と会社を行き来するだけの普通のサラリーマンでした。
実家は地方のトマト農家でしたが、
「お前は後を継いでくれると思っていたのに…」
とブツブツ言われながらも、たまの休みに少し手伝う程度で、農業にあまり興味も持てませんでした。
『このまま定年まで今の会社で働くんだろうな…』
と考えていた矢先、実家の農業をメインでやっていた父親が脳梗塞で倒れました。
『まさか』
『つい先週まで何ともなかったのに』
『ようやく今年も美味しそうなトマトが実をつけたというのに、どうして…』
入院中の父親は、今まで見たことがないほど小さく丸まっていて、目にいっぱいの涙を浮かべながら、
「畑は大丈夫か…」
と、か細く聞いてきました。
それから私は父の畑を守りたい一心で、安定していたサラリーマン生活を手放し、朝から晩まで農業に没頭。
これまで父任せで何も学んでこなかったことをとても悔やみました。
とにかく分からないことはネットで調べ、ときには父に質問しながら、怒られながら、少しずつ勉強していきました。
必死でした。
それから1年が経ち、一から自分で育てたトマトが収穫の時期を迎えました。
その頃には父は自宅に戻っていて、家でゆっくりと過ごす毎日。
たまに畑を見に来ては、懐かしそうに眺めていました。
採れたてのトマトを1つ渡すと、父はまた涙を流しながら美味しそうにほおばりました。
あのときとは違う、うれし涙です。
そうしていつの間にか近所の農家さんたちから、
「うちの畑も貸すから、一緒にお父さんの畑を大きくしていこう。お父さんのためにも頑張っていこう。」
と声をかけてもらえるようになり、気が付くと地元のテレビから取材されたり、他県から取り寄せの依頼を受けたりするようになりました。
今、私たちの目標は「世界中の人に愛されるトマトを作ること」です。
もちろん日本の中でもそこまで有名ではありません。
ですから、まずは小さな目標から。まずは日本全国に〇〇農業のトマトを届けたい。
そのためには、あなたの力が必要です。
大切な思いが詰まった大切なトマトを、一緒に育ててください。
どうぞこれから、よろしくお願いします。
ビデオレターを作ってみよう
なんとなくイメージが湧いたでしょうか。
貴社の企業理念が設定された背景にも、代表者の想いや経験がありますよね。
それをなるべく鮮明にイメージできるように伝え、想いを継承していくつもりでビデオレターを作成してみてください。
社員の会社に対する理解が深まり、同じ方向感を持って成長していけるようになるはずです。